本当に好き勝手書いちゃうNo.1 島崎徹(28)のこんな話
僕は島崎徹28歳の独身。
清掃会社の営業をして、この会社には高卒で入社、もう10年も経つ‥。
中野の家賃78000円の1DKの部屋で細々と暮らし将来も見えてきて、このまま終わるであろう人生について少しは考える様になって来た頃である。
今日もけたたましい携帯のアラームで目を覚まし顔を洗って会社に行く準備を機械的に進めてゆく。
いつもの様に8:00に部屋を出ていつもの10分か12分頃にやってくる満員電車に乗って出社し、今日の朝一の仕事の事を考えながら身支度を終えたのが7:57いつもより身支度に1分多くかかっている様だが「予定外の時こそ冷静に」上司の係長の謳い文句だ。
そしていつも通りに電子タバコに電源を入れる。
この一服が僕の細やかな楽しみであり、ルーティーンである。
寛ぎの時間は過ぎ、猫の額程の玄関で黒い革靴を履きドアを開ける。
目の前は地平線へと続く野原が広がっている。
鳥の囀りが心地良い現実離れしたこの壮大な自然をしばし左右に首を振って見渡し「なんだこれ?」と考えながらふと携帯の時間を見ると8:02になっているじゃないか。
我に返り「やべっ電車来ちゃうよ‼️」と言いながら玄関の鍵を閉めて広大な野原を歩き始める。
「係長遅れるとうるせーからなあ‥今日は飯田橋の原さんとこに謝り行って、やる事いっぱいだなあ‥」独り言を呟きながら地平線へ続く広大な野原を一直線に僕は歩いた‥。
「冷静に冷静に‥」
ただひたすらに僕は歩いた‥。